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軟膏 副作用

軟膏とは

軟膏とは、皮膚疾患に使用される半固形の製剤を指します。
皮膚疾患の治療方法の1つで、皮膚外用療法として利用されており、ワセリン等の基剤と、これに混合する有効成分で構成され、チューブ等に詰めて利用します。

注射や内服薬は、全身へ作用する性質上、副作用も全身に現れますが、軟膏等の塗り薬は、皮膚上、特定の患部へ直接作用するので、皮膚から吸収され血中へ入る量は、微量で済みます。そのため、全身性の副作用は、ほとんど発生しません。
軟膏の様な塗り薬の副作用は、大部分が、その塗った局所に対して発生するものです。なので、比較的軽い副作用で済む場合が、ほとんどです。
有効成分によって、ステロイド剤、ビタミン剤、抗生物質、抗真菌剤、NSAIDs、免疫抑制剤等、多種多様な種類があります。

ここでは、軟膏として一般的に良く使われているステロイド軟膏等について、記載します。

(ステロイド軟膏)
ステロイドは、既に50年以上、世界中で使用されている薬です。そのため、ステロイドの効用や副作用についても、十分知られております。
強力なステロイド軟膏が開発されていますが、上記で記載した通り、局所にのみ使用するケースがほとんどなので、副作用も限定的です。
ステロイドを、効能の強さによって、分類すると、以下の様になります。

[最強]デルモベート、ジフラール、ダイアコート
[非常に強力]トプシム、フルメタ、リンデロンDP、
  アンテベート、マイザー、ネリゾナ、テクスメテン、
  メサデルム、パンデル
[強力]ボアラ、ザルックス、リンデロンV(VG)、
  リドメックス、フルコート、プロパデルム
[中程度]アルメタ、ロコイド、キンダベート
[弱い]コルテス、プレドニゾロン、メドロール、
  デキサメタゾン

(ゲンタシン軟膏)
ゲンタシン軟膏とは、アミノ酸系の抗生物質で、主にアトピー等、患部の消毒に利用されます。
ブドウ球菌、グラム陰性菌、連鎖球菌等の化膿に効果があります。
アトピーの場合、治療のためステロイド剤を使うことが多いのですが、ステロイド剤の連用により、免疫力の低下を招きます。
結果として、細菌が繁殖し炎症をさらに起こす場合があります。この様なケースで、ゲンタシン軟膏で殺菌を行うことが良くあります。
その他、火傷、水虫、手術痕等にも利用されております。

(ヒルドイド軟膏)
ヒルドイド軟膏は、皮膚保湿剤です。保湿だけではなく、血行を良くする作用もあります。アトピー性皮膚炎、皮膚のかさつき等、スキンケアに利用される場合もあります。副作用が少ない保湿剤です。ヒルドイドの主成分はヘパリン類似物質です。


軟膏副作用

軟膏の種類によって、様々な副作用がありますが、比較的軽いものが多い様です。

ここでは、いくつかの軟膏を例に、記載させて頂きます。

(ステロイド軟膏)
ステロイド軟膏の、リンデロンVG軟膏の場合、副作用には長期大量使用で副腎の働きが弱くなることが報告されております。
又、身体の各部位の免疫機能の低下がみられる様です。

数日使う程度であれば、副作用の心配はほとんどありません。
但し、乾癬などの皮膚炎に使用した場合、症状が、かえって悪化する場合には使用を中止してください。

重大な副作用としては、以下のものが報告されております。

・目の重い症状(緑内障、白内障など)
・目が見えにくい、かすんで見える
・ゆがんで見える、見え方が変
・目の痛み、頭痛、吐き気

長期連用の場合の副作用としては、以下のものが報告されております。

・にきび、肌荒れ、皮膚の赤みや萎縮
・シワ、多毛

これ以外の副作用には、下記のものがあります。

・過敏症、発疹、発赤、かゆみ、刺激感
・ニキビ、肌荒れ、皮膚が赤くなる、
・皮膚が茶色くなる、皮膚が萎縮し薄くなる
・毛細血管が浮き出る、さざ波状のシワ

(ゲンタシン軟膏)
ゲンタシン軟膏の副作用は、少ない様ですが、以下の副作用の報告があります。

・発赤、発疹、かゆみ

長期連用の場合の副作用としては、以下のものが報告されております。

・耳鳴り、目まい、難聴、腎障害

(ヒルドイド軟膏)
ヒルドイドも、副作用は少ない様ですが、以下の副作用の報告があります。

・発疹、発赤、かゆみ

何れにしても、上記の症状が発生した場合には、医師と相談してください。


注意事項

軟膏による副作用は、通常は局所的限定的なものが多く、軽度の副作用であることが多いのは確かです。
しかし、長期連用に伴う、腎障害等は、命にかかわるものにもなり得ますので、注意が必要です。

「ステロイド軟膏を塗ると副作用として肌が黒くなる」との報告もありますが、これは副作用ではなく、炎症が終息した際に発生する色素沈着です。
通常、年長になるほど、ステロイド軟膏の累積使用回数が多くなるため、副作用の発生する可能性も高くなります。但し、これはあくまで統計上の傾向であり、副作用の発生しない方も多く見受けられます。

皮膚疾患治療は、個人差が大きく、様々な薬との相性の様な側面もあるため、軟膏等の治療薬を使用して、もし効果がなかったり、副作用が生じた際には、使用を速やかに中止し、医師と相談の上、最適な治療方法を、探す様にする必要があります。

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